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マヨネーズで発電?「もったいない」を価値あるものへ

マヨネーズで発電?
「もったいない」を価値あるものへ

キユーピーの工場では毎日、多くのマヨネーズ類を製造しています。製造品目を切り替えるたびに配管内を洗浄し、定期的な配管洗浄も行っています。その際、配管内に残ったマヨネーズをきれいに取り除く必要があり、取り除いた分は食品ロスとなっていました。
マヨネーズの生産を担当していた社員の「心を込めて製造したマヨネーズの全てを価値あるものにしたい」という想いが「マヨネーズで発電」という意外な成果を生みました。

心を込めて作ったマヨネーズへの想いを
原点に

松原 由紀は入社後、キユーピー 仙川工場(当時・東京都調布市)の製造課で、「キユーピー マヨネーズ」を担当。会社を代表する商品を製造することに誇りを持って仕事に励んでいました。翌年、同工場内の環境保全を行う部署に異動し、工場から出る廃棄物の管理を任されます。

「廃棄物を減らし資源として再利用するという課題に取り組みました。製造過程で発生する食品ロスを減らすことも一つです。製造課と協力して低減をめざし、やむなく発生してしまった分は外部委託して堆肥化するなど有効活用を進めました」

「キユーピー マヨネーズ」の主な原料は、卵黄と酢、そして植物油です。卵黄と酢や調味料に植物油を少しずつ加え、すばやく混ぜることで、なめらかなマヨネーズができあがるのですが、植物油、酢などを含むマヨネーズは、微生物による分解がされにくい特徴があります。堆肥化ができない分は焼却処分しており、CO2発生にもつながっていました。 ※発生する熱エネルギーを回収して利用するサーマルリサイクル型の焼却を実施

「せっかく製造したマヨネーズをもっと生かせないか、環境への負荷を下げられないかと考えました。製造課の仲間が心を込めて製造している姿を知っていたからこそ、無駄にしたくないという気持ちをより強く持ったのだと思います。1回の配管洗浄で出るロスはわずかですが、たくさんのマヨネーズを作っているからこそ積み重なれば大きな量になります。手始めに、分離させた油分を工業用油として活用する方法を確立しましたが、手間がかかり、他工場への展開が難しいといった課題を残しました」

心を込めて作ったマヨネーズへの想いを原点に

マヨネーズで発電?
意外なアイデアが生まれる

松原は仙川工場から異動し、いくつかの部署を経ますが、一貫して持続可能な社会の実現とキユーピーグループの持続的成長の実現の両立をめざす仕事に携わります。

その中で、松原は、グループの工場から出たジャガイモの皮などを家畜の飼料として活用する取り組み(エコフィード)に関わりました。 ※野菜くずなどの食品残さを利用した飼料。国も活用を推進している。

ある日、エコフィードを使用する農家と情報交換をする中で、養豚農家が糞尿などの廃棄物の処理方法として再生可能エネルギー発電の一つであるバイオガス発電に挑戦していることを知ります。バイオガス発電では、動植物由来の有機物をメタン発酵させて生成したガスを使って発電します。
養豚農家は、廃棄物を焼却処分ではなく発酵の原料として活用することに取り組んでいました。しかし廃棄物の組成が原因で発酵の効率があまりよくなく、軌道に乗せるのに苦労しているようでした。どちらからともなく「養豚農家の廃棄物とマヨネーズを組み合わせることで、発酵の効率を高められるのではないか」というアイデアが生まれます。

「養豚農家さんの困りごとと私たちのニーズがマッチして、マヨネーズが食品ロスではなく価値あるものになれるのではと、わくわくしました」

当初、松原はバイオガス発電に関する知識はほとんどありませんでした。養豚農家、発電施設に足を運び、マヨネーズを発電に活用するにはどのようなことがポイントなのか、一から学びました。また、さまざまな方々とコミュニケーションを重ね、信頼関係を築いていきました。

この取り組みを実現するには、自社の工場の協力も欠かせません。松原は、工場の担当者に取り組みの目的や価値を熱心に説明しました。

マヨネーズで発電?意外なアイデアが生まれる

松原の説明を受けた一人が、キユーピー 中河原工場の山中 大吾です。
「企業の社会的責任への意識が高まる中、私たちの工場も例えば環境配慮についてどうあるべきか考える機会が増えていましたので、関心を持って話を聞きました。とはいえ、新しい取り組みがうまく行くのか、いろいろと不安もありました。でも、松原さんは、熱い気持ちを語ると同時に、こちらの心配を丁寧に汲み取ろうとしてくれました。また、彼女の『心を込めて作ったマヨネーズを無駄なく有効に活用して、社会や環境の課題解決に結びつけたい』という言葉は、私も他の工場メンバーもとても共感するものでした」

松原は、この取り組みが関係者みんなにとって前向きなものになるように心を配りながら、じっくり時間をかけて内容を詰めていきました。

こうして、着想から約5年をかけて、バイオガス発電への活用が確立されました。マヨネーズ類以外の調味料への展開も進み、現在では、五霞工場、神戸工場を始め、複数のグループ工場が参画するまでになっています。この取り組みで、約980トンのCO2削減(2022年度・2015年度比)につながりました。 ※「焼却処分量の減少による削減量」に、「キユーピーグループからの供出物を利用してバイオガス発電した場合と、同じ発電量を一般的な発電方法で得た場合を比較したとき低減されるCO2量」を加えた数字(いずれも推計)

関係者全員での創意工夫が
社内で高く評価される

2022年、この取り組みが社内表彰を受けます。キユーピーの主力商品であるマヨネーズにおいて製造過程でのロスを資源として活用することで新たな価値へと転換させたこと、強い想いと志を持って成果に結び付けたことが評価されました。

松原は、「関わってくれた全員への賞だと思っています」と言います。
「キユーピーの社訓の一つに“創意工夫に努めること”があります。各自の仕事の中で、大小に関わらず工夫し続けることを大切にする文化があります。私も工夫を重ねることで、長年の課題に一つの答えを見つけることができました。周囲の皆さんも支えてくれました」

「もう一つうれしかったことがあります。ある工場の環境担当者から『私たちの仕事は普段あまり目立たないけれど、松原さんの受賞を見て、モチベーションが上がった』とメールをもらったことです。そんな風に思ってもらえ、とってもうれしかったです。そのメールは大切に保存しています」

2025年、「キユーピー マヨネーズ」は発売100周年を迎えます。私たちはこれからもお客様に愛していただけるおいしい商品をお届けすると同時に、地球環境の問題についても向き合っていくことが企業の使命だと考えています。

「今回、社内外の皆さんと力を合わせることで、食品ロスの課題について新たな一歩を踏み出すことができました。これからも人との出会いや絆を大切にしながら課題に真摯に向き合うことで、より良い社会の実現に事業活動を通して取り組んでいきます」

関係者全員での創意工夫が社内で高く評価される

2023年6月公開※内容、所属、役職等は公開時のものです

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