惣菜の品ぞろえを工夫しよう!
時間別売り場づくりのポイント
まず自分がお客様側の立場になって考えてみよう!
まず、店側としてはどうしても利益を優先的に考えがちになりますが、ここは一度、お客様側の立場になって考えてみましょう。自分がお客様側であれば店側に対してどういう惣菜を要望するのかを考えてみれば、おのずと答えはみえてくるものです。
若い方であれば、がっつりした揚げ物や中華などのこってりものが好まれることでしょう。また、ちょっと自分は年を取ってきているかなという方は、さっぱりとした和食系を好まれるかもしれません。
こうして年代別に考えてみると、惣菜の好みは分かれると思われがちですが、どの年代においても好まれる惣菜も存在します。その点も一緒にチェックしておく必要もあります。
例えば、生活習慣病などが問題となっている現代において、野菜の摂取の重要性が問われています。(1日350g以上摂ることが推奨されています)しかし、なかなかその量を取れていないのが現状です。
肉や魚などのたんぱく質単体の惣菜だけでなく、時間帯関係なく健康を意識した商品も必要です。八宝菜や野菜炒め、ささみときゅうりときくらげの中華和えなど野菜や海藻、キノコも一緒に摂れる惣菜を取り入れておくとよいでしょう。
またその季節に合わせた旬のものを取り入れることも一緒に考えてみましょう。タラの芽や筍、アスパラガスやグリーンピース、栗やさつまいも、カキやホタルイカなど。その季節でしか食べられない旬の食材を惣菜に取り入れることで、お客様側も特別感を感じることができます。
他にもその地域の特産品を生かしたもの、関東なら関東の味付け、関西なら関西の味付けなど味付けにも工夫を凝らすことも必要になってきます。
現代人の健康志向の傾向から考えると、組み合わせを考慮したいところ。
ごはんやパン類を主体とする主食、たんぱく質を主体とした主菜、野菜(淡色野菜、緑黄色野菜、キノコや海藻類も含めて)を主体とした副菜を売り場内に備えられるとベストです。
また栄養価もお客様側としては重要視する点ではあるのですが、そのうえで食欲をそそるような色彩豊かな品揃えを目指すことも大切です。
しかし、これもしっかりした販売計画を立てたうえで予算内に収まることを前提とします。やみくもにあれもこれもと取り入れようとすると、店の利益どころか損失につながってしまう恐れがあります。
きちんと材料費や人件費その他かかる経費や陳列などを綿密に計画したうえでお客様側のニーズに応えられるような計画作りを進めましょう。
時間帯別売り場作りのポイントとして
さきほど若い年代の方にはこってりしたもの、年配の方にはあっさりしたものが好まれると記述しましたが、それぞれの年代が訪れる時間帯にもポイントがあります。
小さい子供がいる主婦や、年配のご夫婦などが店に訪れる時間帯といえば、昼間から夕方夕食の準備時です。それに対して、独身のOLやサラリーマンなどは仕事帰りに店によることになりますので、終業時間にもよりますがもっと遅い時間帯となります。それに合わせての品揃えも重要になってきます。
惣菜の必要性が高まってくるのは、昼の時間帯からです。
まずは10時から11時の時間帯ですが、「主人も現役引退したわ」というような50代や60代の主婦が、昼食や間食関連の惣菜を求めて来店します。
またその次の時間帯12時から13時までの間は、仕事の昼休みに買いに来たサラリーマンや20代から40代の主婦層が間食を求めて店を訪れ始めます。
この2つの時間帯に関しては、やはり昼食をメインに考え、それぞれの客層にあった容量を考慮の上で、惣菜を準備、陳列する必要があります。
年配の主婦をターゲットに考えるとどうしても食が細くなり、量を食べることができなくなりつつあるので、小さいサイズの惣菜の陳列がメインとなります。また味付けに関しても薄味のものが好まれる傾向にあります。
その一方で、サラリーマンや若い層の主婦のために、唐揚げやフライドポテトなども求められます。仕事の合間に手軽にとることのできるスナック感覚の惣菜を、一緒に品揃えしておくことも考えておきましょう。
16時からの時間帯は、幼稚園や学校帰りの子供を持つ主婦が間食や夕食のおかずを求めに店を訪れはじめ、50代の主婦を含めて18時までその傾向が続きます。
この時間帯は弁当やお寿司、ファミリーで食べることのできる容量の惣菜の品揃えが必要となってきます。それぞれの年代に合わせ、バラエティに富んだ惣菜を求められるのもこの時間帯です。
それ以降の時間帯になってくると仕事帰りのパートタイマーの主婦や学生、単身のサラリーマンの来店が増えてきます。
夕食や翌日の朝食のために訪れるので、核家族用のものや一人でも食べきれるサイズのものを中心に考える必要があります。ただ単身用のサラリーマン向けという先入観から、どうしても揚げ物や炒め物、魚より肉という風に考えてしまいがちです。
実際は、自分の健康に関心を持つサラリーマンが多くなってきています。そのため、野菜などもきちんととれる工夫を簡易にし、栄養バランスが少しでも整えやすい惣菜の陳列も心がけてみてください。
まとめ
店の予算など計画をきちんと立てたうえで、それぞれの客層に見合ったニーズに応える品揃えを目指すということは必要条件ではありますが、それだけでなく、自分自身の健康に対して配慮を志している方もいます。
年代に対する好みだけを重要視するのではなく、旬のものを上手に取り入れた栄養バランスの整った弁当などの惣菜も一緒に取り入れてみると良いですね。このようによりニーズに応えるための工夫をされてみてはいかがでしょうか?
2017/03/30時点